名作:★★★★★『クロノ・クロス』

ゲーム史に残る世紀の名作RPG『クロノ・トリガー』の続編、『クロノ・クロス』。
子供ながらにトリガーの続編というだけで胸を躍らせプレイしたゲーム。

シナリオ・システム・グラフィック・音楽全てにおいて高水準であり、まさに『クロノの続編』と冠するだけある作品である。
しかし、決して前作クロノ程高評価を得たわけではない。どちらかというとその質の高さにも関わらずヒットしなかった不遇の作品でもある。基本的には下記の加藤氏の台詞が全てを物語っている。


「今回クロスを発表して、こんなのクロノじゃない!という声が結構あったのには、正直、ちょっとガックリきた……。確かにハードも変わり、前作から大きく変わった部分もたくさんある。というか、PSというハードで、今日できるかぎりのことをして作り上げたクロノ、新しいクロノがクロノ・クロスなんであって、単にトリガーのシステムをそのまま単純にPSに移行したものなんか、僕達ははじめから作る気はなかった。だからこそ、クロスはクロスであって、トリガー2じゃない。それに対して、声高にクロノじゃないと、堂々と断言してしまえる人達にとって、では、クロノって一体何だったんだろうと、僕は疑問を抱かざるを得ないのだが……?ひょっとして、トリガーで僕が伝えたかったことなんか、全然伝わってなかったのか?クロスは、今現在僕らが作り出せる、最高のクロノだ。(最良の、とは言わないけど)
それをクロノと認められないというのなら、もう君のクロノと僕のクロノは、別々の道を進んでいるんだね、としか言えない……。残念だけどね。でも、そこまでトリガーを好きになってくれて、ありがとう。
要するに,こんなのクロノじゃない!とか言ってる人,その人はクロノトリガー,クロノクロスを分かってないだけなんですよ。分かってないのにあらかさまにクロスを否定するのは止めてほしいものです。」

そう、おそらくトリガーをプレイしたにも関わらずクロスに拒否反応を示してしまう人が多いのは、一見全く異なった世界観、前作主人公の不遇さが挙げられると思う。

本当にゲームの内容を理解してプレイできているならば、上記の疑問点は解消されるのだろうが、それでもやはり説明不足でとにかく難解だという事は否めない。

そもそも前回のトリガーが、過去から未来という縦の時間軸での物語であるのに対し、クロスでは平行世界を行き来する横の時間軸での物語となっている。縦と横が組合わさって時空がクロスする物語、それがクロノクロスである。一見別々の物語に見えるかもしれないが、根底には『クロノ』のDNAが脈々と受け継がれている。そうして、クロノであること、またクロスであることをはっきり意識してプレイできるとこのゲームの見方は全く変わったものになる。


また、ゲーム史にも残るであろうEDにもぜひ注目して頂きたい。まぁアーカイブス版も発売した事だし、今更ネタバレも糞もないし、発売から10年が過ぎてもEDの意味が分かっていない人があまりにも多い様に感じるので記載しておく。



クロスのEDでなぜ突如実写パートが入るのか?
その解説に入る前にED冒頭のキッドの手記をご覧頂きたい。


こうして、ひとつの物語は
幕を閉じる。

ながい時間が、すぎて……
つかの間の夢はとおく過ぎ去り……
残されたのは、わたしと、
思い出だけ……。

でも、いつかきっとまた会える、
あなたと、わたしは……。
別の場所、別の時間で……。

互いにそうと気づくことは
ないかも知れないけれど……。

知らない扉を開いて、
もうひとつの現実に出会う、
もうひとつの今日を生きよう。
物語は終わっても、
人生はつづく……

だから、その時まで……
ごきげんよう。

Sarah Kid Zeal


加藤氏本人も仰っているようにクロスは究極のボーイミーツガールなお話である。
運命の少女と出会う為の物語である。

最後の敵である『時喰い』を倒した後、時空は再編成されあるべき姿に戻る。そのため、そもそも主人公達一行が旅してきた世界・時間軸はなかったものとされ、その存在・記憶すらも非常に『曖昧』なものになる。そうして、あるべに世界での時間軸での生活に戻る事(生まれ変わる?)になる。




特別な存在であるキッド以外は。


勿論、キッドとて全ての記憶が残っている訳ではない、残滓のような僅かな記憶かもしれない。しかし、それでもあらゆる時を超えてキッドはセルジュを探し出す。


EDでの実写パートとはキッド(だったもの?)がセルジュ(だったもの?)を探し歩いている図である。そう、現実の世界でも。つまり、あの実写パートで、「もしかしたらゲームをプレイした貴方そのものがセルジュなのかもしれない。今側にいる大切な人がキッドなのかもしれない。お互い記憶は失ってもう覚えていないのかもしれないけれど。」という事を指している訳です。

ゲーム上での大冒険は異世界での大冒険は、今は記憶こそないけれど平行世界では実際にあったかもしれないよって言っているわけです。貴方が今いる世界もクロノの世界の一つで、クロノやセルジュ(テレビの前の君かもしれない)が救った後の世界なのかもしれないよって意味を含ませた正にRPG(役割を全うする)。

こんな素敵なEDは他にあるでしょうか?もしかしたら、本当にセルジュは君かもねと言ってくれるゲームは。映画や本と比べて絶対なゲームの利点である「追体験」を味わえる感覚。全ての材料を有効に組み合わせ、これ以上ない『クロノ』の世界観を味わう事が出来る『クロノクロス』。

特に前作ユーザーならば絶対にやってください。その価値がある名作です。




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この記事へのコメント

通りすがり
2012年06月14日 14:27
>「要するに,こんなのクロノじゃない!とか言ってる人,その人はクロノトリガー,クロノクロスを分かってない無知だけなんですよ。分かってないのにあらかさまにクロスを否定するのは止めてほしいものです。」

↑この部分捏造。流石にそこまでアホなこと言ってない。ソースは下記のサイト↓
http://www.procyon-studio.com/special/mf_kato.html

んで、更に重要な部分を抜いている。↓

「って、ゲーム、まだ発売になってないんだっけ?(笑)」

ゲーム発売前の、ビジュアルやシステムに対する表面的な批判にガックリ来たという話で、
内容(特に自分の担当したシナリオ)についての無理解だのを愚痴ってる訳ではない。

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