傑作:★★★★☆『のだめカンタービレ(実写版)』

 昨日、レンタルで『のだめカンタービレ 最終楽章 後編』をみました。前編は映画館でみたんですが、後編は機をのがしてみることができずといった状態でした。

 僕は、音楽は学問という観点では全然わからず楽譜も読めない状態です。クラシック自体は嫌いじゃないけど、ポップスやロックの方が聴いてますって感じの普通の人です。そんな僕ですが、とある音大生をテーマにした今作は非常にツボにハマりました。もともとは漫画な今作ですが、「音」を扱っていることもあって実写化のメリットは大きかったように思えます。あんま思い浮かばないけど、『海猿』とか『ごくせん』とか『ROOKIES』は大分評判良いですよね。日本だけでもかなりの需要がある漫画の実写化、その中でも特に『のだめカンタービレ』は秀逸だと思います。


 さて、ここからが本題なんですが、今作は「一つの道を極めようとする者」の物語です。主役ののだめはピアノの天才女子大生。そんな彼女がもう一人の才人、千秋という男に出会います。千秋はのだめの才能を見抜き、彼女をもっと大きな舞台へと連れて行きたいと願います。しかし、のだめは嫌がります。保育園の先生になりたいと。のだめは、幼少期の過度なスパルタ教育によってトラウマをもっていたこともあり、なかなか前に進めずにいました。そんなのだめの力を見抜き支援するのは、千秋だけではありません。世界的に有名な指揮者のシュトレーゼマンや、コンサートでのだめの才能を見いだし留学を支援をしたオクレール。千秋とのだめはそれぞれのトラウマと葛藤しつつも、より音楽と向き合うために巴里へ留学します。二人には、様々な困難・試練が待っていました。千秋は指揮者として組織をまとめあげるための苦悩が、のだめはソロピアニストとしてひたすらに果てしない修練を積んでいくことの苦悩が。また、のだめ達だけでなく、他の仲間達も苦悩の毎日を過ごしています。しかし、みんな一度でも音楽の喜びを知ってしまった。一つのものをつくりあげることの快感を知ってしまった。だから、それをもう一度味わうために日々戦い続けていたのです。

 そんなある時、のだめがオクレール先生の下でゴールの見えない果てしない訓練を続けることに疲れきってしまったころ、シュトレーゼマンとともにコンサートを開きます。世界最高レベルの指揮者とピアニストによるコンクールは大成功に終わりました。しかし、その成功が大きすぎたこともあってのだめはこれ以上は音楽を続けられないと感じてしまいます。そう、これ以上続けるということは、あの成功より大きな成功をしなくてはいけないということです。そうして今までの一番の目標であり生き甲斐でもあった「千秋とのコンサートでの競演」という夢からも逃げてしまいます。そう、彼女は疑っていたのです、自分も千秋の実力も。そして、大好きな千秋と共演するからこそ、絶対に最高の舞台にしたい、できなければきっと千秋のことを好きでい続けることはできないと知っているから。

 しかし、千秋はその気持ちをしってもなお、諦めることができません。どんなに音楽を極める道が厳しいということを知った上で、のだめがその道を諦めようとしていても。彼女に、素晴らしい才能をもったのだめに、そんなのだめに最高の舞台にたってほしいから。彼女ならば、それができると信じているから。だから、千秋は最後の賭けに出ます。のだめとのセッションで、のだめに自分がのだめを制御できるだけの実力があることを認めさせる為に、もう一度音楽の楽しさを味わってもらう為に。

 二人のこれからの人生を賭けたセッションは見事な出来で終わり、のだめはもう一度千秋と共に音楽の道を進むことを決意しました。その道がどれほど暗く苦しく果てしないものであるとしても、ただひたすら最高の快感をめざして

 この物語って本当に何にでも通じてると思います。スポーツにしろ仕事にしろ、何か一つのものを極めるとしたとき、まとめあげようとしたとき、感じる孤独や苦しみは変わらないと思います。大抵の人間は何かしらの理由をつけてその道と真摯に向き合うことから逃げてしまいます。僕だって同じです。しかし、逃げずに戦い続ける人達もいます。これはそんな人達の物語です。だからこそ、美しく儚い。そして尊い。そんな普遍的な「美しさ」を説教くさく押し付けることなく、最高に面白い演出でまとめあげた本作は紛れもなく傑作です。Blu-rayボックスがでたら買おうかしら。


のだめカンタービレ 最終楽章 前編&後編
ERJ
2009-12-09
のだめカンタービレ

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